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プリンセス・ダイアナの死から20年。日本中が沸いた訪日時の、ジュエリーの着こなしを振り返る。

プリンセス・ダイアナが交通事故で不慮の死を遂げて、8月31日で20年となる。ピープルズプリンセスとして、今も世界中で愛され続けるダイアナ元妃。生前日本には3度訪問され、そのファッションに多くの日本人が目を奪われた。滞在中には、見事なジュエリーコレクションも披露。その着こなしを紹介しよう。

ダイアナフィーバーの86年、昭和天皇の隣席で着用したヘッドバンドの秘密。

Photo: Shutterstock/AFLO

日本中にダイアナフィーバーが巻き起こった、1986年の第一回目の公式訪問。5 月8日から6日間に及んだ滞在の最終日には、昭和天皇主催による宮中晩餐会が、皇居・豊明殿で催された。鳥丸軍雪(GNYUKI TORIMARU)デザインによるミッドナイトブルーのイブニングドレスにコーディネイトしたのは、サファイアとダイヤモンドが煌めくベルベットのヘッドバンド。

Photo: LFI/Photoshot/AFLO

元々は、サウジアラビアのファハド皇太子(当時)からウエディング・ギフトとして贈られたアスプレイ(Asprey)のジュエリーを使い、トランスフォームしたチョーカーなのだが、晩餐会ではヘッドアクセサリーとして着用された。因みに、ファハド皇太子から贈られたそのギフトとは、サファイア×ダイヤモンドのネックレス、リングとイヤリング、同じくサファイアをセンターピースにした2連のダイヤモンド・ブレスレット、7個のオーバル・サファイアをストラップに使ったウォッチの計7点。それらは、グリーン・マラカイトの美しいボックスに入って届けられた。もちろん、今でも最も豪華なウエディング・ギフトのひとつとして語り継がれている。

Photo: Glenn Harvey/Camera Press/AFLO

こちらは、本来のチョーカーとして着用された際の、85年のスナップ写真。

ブラック×ホワイトの装いに、ジュエリーもバイカラー使い。

Photo: Haruyoshi Yamaguchi/AFLO

滞在最終日のデイタイムは、ブラック&ホワイトのアウトフィットに合わせ、ダークグレイとナチュラルパールのネックレスで。ロンドンのジュエラーDe Vroomen のネックレスは、プリンス・チャールズからのプレゼントなのだが、プリンセスが公式の場で着用したのは数えるほど。逆に言えば、レアなお目見えとなった貴重なショット。

90年、即位の礼に続く饗宴の儀では、英国王室に受け継がれるティアラを着用。

Photo: Shutterstock/AFLO

2回目の来日は1990年、今上天皇の即位の礼参列のためだった。豊明殿では、外国の賓客を招いての饗宴の儀が開かれ、チャールズ皇太子とプリンセス・ダイアナもご臨席された。

Photo: REUTERS/AFLO

饗宴の儀の席で着用されたティアラは、「ケンブリッジ・ラバーズ・ノット・ティアラ」と呼ばれ、1913年エリザベス女王2世の祖母にあたるクイーン・メアリーがガラード(House of Garrard)に、自身のパールとダイヤモンドで作らせたもの。19個のパールがラバーズノットボウから下がる、ネオクラシカルスタイルのティアラは、エリザベス女王に受け継がれ、ロイヤルウエディングの直前にプリンセス・ダイアナに貸し出された。かなり重いティアラで、プリセンスは着用時にしばしば頭痛を訴えたとも言われているが、お気に入りのティアラのひとつでもあった。

Photo: Richard Gillard/Camera Press/AFLO

「ケンブリッジ・ラバーズ・ノット・ティアラ」がその後どうなったかと言えば...。96年の離婚で王室に返還されたティアラは、しばらく公の場から姿を消していたが、2015年12月、バッキンガム宮殿での年次晩餐会に、ケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃が着用。最近では7月12日、スペイン国王夫妻を招いての宮中晩餐会でも纏われ、プリンセスの愛したティアラは再びスポットライトを浴びている。

Junko Hirose